長月研究所の日記

鉄道をはじめとする交通や、旅行のことを中心に書いています。月1更新が目標。

財布を忘れて南東北旅行:茨城編

南東北に旅行に行ってきたのだが、なんと財布を持っていくのを忘れた。青春18きっぷスマホ決済だけで乗り切った、そんな旅行記ですよん。

20日午前5時45分。最寄りのJR駅に到着する直前で悲劇は起きた。
「あれ、財布ないじゃん…」
よく考えたら財布を荷物にぶち込むのを忘れていたのである。アホか。取りに行くのも面倒だし、スマホがあるのでなんとかなるだろうと思いそのまま駅へ。そしてそのせいで予定変更せざるをえなくなり…

そんなわけで1日目。常磐線を北上し福島県に向かう。

土浦ニューウェイとモール505

mall505.co.jp

最初に訪問したのは、茨城県土浦の市街地を貫く高架道路、土浦ニューウェイ。

なぜこんな立派な高架道路があるのかというと、つくばと土浦を結ぶ新交通システムを通す予定だったからだとかなんとか*1。その名残か高架道路上には立派なバス停が。本数少ないけど*2しかもエスカレーターまで整備されている。動いてないけど。そしてこの川口町バス停付近には「モール505」なるショッピングセンターが併設されており、土浦駅近くの線路際まで続いている。訪問時はどの店も閉まっており人の姿も見当たらなかった…日曜の朝7時なので当たり前である。飲食店や美容室、さらには自衛隊の事務所まであり、決してシャッター街ではなさそう。三階建てでありながら各階に廊下がある構造になっており、商店街のように歩くことができる。

もともと川が流れていた場所を埋め立てて作っているらしい。首都高といい清渓川といいい、インフラ整備のために潰されるのは都市河川の宿命か。清渓川は復元したけど。

昭和感にあふれSNS映えしそうな場所なので、そういった方面で宣伝をすればいいのではないかとも思う。

土浦駅。貨物ホームが併設されており、一昔前の地方の拠点駅らしさにあふれている。また、サイクリングを町おこしに活用しており、霞ケ浦沿岸や筑波鉄道廃線跡自転車道をアピールしている。
そういえば筑波鉄道廃線跡を見物するのを忘れた。

市役所。駅前の妙に開放的な空間。これもまた地方都市らしい景観。

東海村歴史と未来の交流館 村松軌道企画展

www.vill.tokai.ibaraki.jp

続いて、土浦から水戸で乗り換えて広野行きの赤電復刻色に乗り込み、東海駅で下車。郷土資料館的な場所へ向かう。

昔の塗色を復刻したラッピング。側面だけだと若干京葉線っぽい。

ほんとはE501系に乗りたかったんだけど。

ニュータウンのようにきれいに整備された街並みを歩くこと約10分。これまたモダンできれいな建物が見えてきた。こちらが「東海村歴史と未来の交流館」である。入場料を取られるかとヒヤヒヤしていたが、なんと無料!

今回ここに来たのは他でもない、かつて東海村を走っていた軽便鉄道村松軌道に関する展示を観るため。この路線は現在の東海駅と、海沿いの村松村(当時)にある虚空蔵尊*3を結んでいた。たった7年で廃止されてしまった幻の鉄道らしい。

実物のレールや等身大の汽車模型をはじめ、かなり充実した展示内容であった。これが無料なのだからすごい。そして村松軌道以外にも鉄道や郷土関連の資料が多数。

この辺は常設展示っぽい。あと外で祭りか何かをやっていた。

東海駅に戻り、常磐線に乗る(写真に政治的意図はありません)。

途中日立駅で特急の通過待ちがあったので、少ない時間を利用して駅舎のインスタ映えスポット(?)を見物。

高萩市歴史民俗資料館と長久保赤水

www.city.takahagi.ibaraki.jp

高萩市は、伊能忠敬以前に詳細な日本地図を作製した長久保赤水の出身地。駅前には銅像も建てられているほどの人物だ。彼の業績が展示されている市の歴史民俗資料館を訪れた。駅から炎天下を歩くこと約15分、資料館が見えてきた。ただどちらかというと図書館がメインで、そこに併設されてる感じ。そしてここも入場無料。

長久保は18世紀に活躍した地理学者。伊能のように詳細な測量事業を実施したわけではなく、それまでに刊行された地図や資料の知識を組み合わせて日本全図「改正日本輿地路程全図」を作成したのである。19世紀に作成された伊能図はその正確さから長らく国家機密扱いされたため、長久保の地図が明治初期まで民間で幅広く使われ、一部はヨーロッパにまで出回ったという。

館内には改正日本輿地路程全図をはじめとする長久保製作の各種地図が展示されているほか、農業用具や古代の石器などが展示されている。だが長久保の生涯などを詳細に解説する展示はなく、そこが少々残念であった。館内では改正日本輿地路程全図のレプリカも販売していたが、現金のみの対応だったため買えず。。。

高萩駅。都内でも高萩行きの列車を見かけるのでそれなりに規模の大きい駅なのだろうと思っていたが…意外と小さい。というか1面2線なのか。。。

 

このあといわき市湯本の石炭化石館ほるるにも行きたかったのだが、なんと臨時休業とのことで…リベンジのさいには改正日本輿地路程全図のレプリカも購入したいものである。

福島編に続きます。

dhasfaf.hateblo.jp

*1:2023年6月、つくばエクスプレスの土浦延伸が決定。ついに両都市間の交通が実現か…?

*2:朝の3本だけ

*3:空海創建の真言宗豊山派の寺院。日本三大虚空蔵尊の一つ