九州唯一の大手私鉄、西日本鉄道(以下西鉄)。同社はかつて路面電車をいくつか運行しており、全廃された今では一部の車両が保存・展示されております。今回はその中から、北九州市門司区のものを紹介します。
門司港レトロ地区の中心部、高層マンション「門司港レトロハイマート」のすぐ近くにあります。ハイマートにある門司港レトロ展望室を観光したついでに寄るのもいいでしょう。
1940~1985年の間、西鉄北九州線で走っていた100型です。同形式は日本車輛製と汽車製造(現・川崎重工)製の2種類ありますが、これは後者になります。かつては北九州市の主要部を結ぶ重要な交通機関でしたが、モータリゼーションやJR鹿児島本線の増便・新駅開設などにより全廃、現在では西鉄バスに置き換えられました。かつて多くの市民や労働者を運んだ148号車は、門司港レトロ地区の片隅で当時の繁栄を静かに伝えています。訪問時は、担当者と思しきおじさんたちがたむろしていました。
個人的には、両端にドアが1つずつついてる構造が好きですね。側面の所謂「バス窓」や左右非対称の前面がかわいらしくて、時代を感じますね。
もともとは企救丘の交通科学館に展示されていたものが、閉館ののち塗色を変え移転してきたようです。でもこんなに海に近いのに、塩害とか大丈夫なんですかね…?
この路面電車が走ったであろうルートを西鉄バスで追いかけるのもおすすめです。特に門司港レトロ~小倉都心部を走る70、72、74に乗ればダイナミックな車窓が楽しめます。
西鉄のWebミュージアムに詳しい解説があります。冬以外の日曜日は内部公開もしているようです。