もう半年くらい前の話ですが、JR東日本が山手線の電光掲示板の発車案内を、それまでの発車時刻表示から、到着まであと何分かを表示する方式に切り替えると発表しました。公式リリースによれば今年(2020年)7月までに山手線全駅でこの方式を導入するとされており、一部の駅ではすでに導入済みです。
このように発車まであと何分かを表示する方式は、海外の多くの地下鉄では一般的なものとなっているほか、日本でも地下鉄銀座線で導入されています。私もぜひ日本で導入してほしいと思っていましたし、この決定は理にかなっていると言えるでしょう。
さてこちらは2020年1月8日に上野駅で撮影したものです。
これの面白いところは、一方的に時刻表に基づいて表示しているのではなく、リアルタイムの運行状況と連動しているというところです(ホームの時刻表と照らし合わせて確かめました)。山手線では電車が遅れていると時刻欄が空白になってしまうことが多いのですが、その心配がないのです。これは大きな改善だと思います。詳細な時刻が表示されなくなるため、乗換案内アプリを利用する際は不便が生じてしまうという欠点もありますが、そもそも山手線のような路線において遅延という概念はあまり大きな意味をもたないので、そのあたりの整合性がとれたのではないかと。遅延隠しの温床になりかねないという懸念の声もあるでしょうが…。
またこのような方式は、列車を待つ必要のないほど本数の多い路線では有効ですが、本数がそこまで多くなく様々な行き先がある路線では却って不便で、時刻表示のほうがよいかもしれません。首都圏のJRなら、京浜東北線、中央・総武各駅停車、常磐線各駅停車あたりが限度でしょう。地下鉄においても、丸ノ内線や大江戸線、日比谷線といった行き先が概ね固定されている路線ならともかく、副都心線や浅草線のような複雑な運行系統をもつ路線では無理があると言えます。
いずれにせよこの方式が広まっていくのは確実です。これからの更なる利便性向上に期待しています。
参考記事:【鉄道業界インサイド】JR山手線のホーム発車標を「約○分後」表示に変更するメリットとは (1/2ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト
枝久保達也さんの記事は興味深い内容が多く、しかもわかりやすくて定期的に巡回しています。私も枝久保さんのような記事を書けたらと思います。