長月研究所の日記

鉄道をはじめとする交通や、旅行のことを中心に書いています。月1更新が目標。

韓国の地図博物館で地形図を買った話

(2018/08/23 修正)

こんにちは。先月韓国に行ってきました。今回は、その韓国の地図博物館やら地形図やらについてです。 

ある日ソウル近郊の水原に行ってみました。そこでもらった観光地図を見てみると地図博物館の文字が。これは行かねばと思い、観光案内所で行く方法を聞いて、バスに乗り込みましたが…なんと寝過ごしました(爆)。しかも、実は逆方向だったというおまけつき。

別の日に盆唐線で行きました。知らない方のために説明しますと、ソウルと水原の間を鉄道で移動する場合、京釜線、およびそれに並行する地下鉄1号線(急行電車も走っている…数えるほどしかないけどね。まあ特急も走っているから、そんなに不便ではない?)を利用するのがメインルートです。盆唐線は1号線とは別に、途中城南市の盆唐ニュータウンを経由してソウルと水原を結んでいます。さて、詳細情報も下調べを怠ったためよくわからず、とりあえず近そうな霊通駅で降りて、水原市のバスに乗り換えてみたんですが。あのバス、外国人に利用させる気が全然ないですね…英語案内すらなく、ハングルがわからないともうどうしようもありません。 

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1号線の電車。盆唐線の電車は赤い部分が黄色になっている

で、なんとか地図博物館にたどり着きました。ここには日本でいう国土地理院に相当する国土地理情報院(National Geographic Information Institute, NGII)が所在しています。なぜかソウル中心部ではなく、郊外のしかも市街地から離れた場所にありますが、日本の国土地理院がつくばにあるようなものでしょうか。ですが、情報院の周辺には住宅地(韓国によく見られる高層アパートが多い)はあるものの、近隣には地方裁判所を除き官公系施設はないようです。西には亜洲大学、少し北には光教ニュータウンがあるようですが。なんか韓国はやたらかっこつけたニュータウンが多い印象です。あ、それは日本も変わらないか。 

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博物館の入館は無料でした。屋内に入るとホールがあり、地球の大型模型が展示されています。中に進んでいくと、朝鮮やそれを取り巻く世界の地図の歴史、測量に使用する道具、さらにはGIS(地理情報システム)の紹介や設備などが展示されていました。また、独島や東海(日本海の韓国における名称)の国際的正当性を主張するためと思しき展示もあり、かなりのスペースが割かれていました。正直これには閉口しました…まあ、政府機関の傘下にある博物館ですから、当然ではありますが、つくばにある地図と測量の科学館と比べても多かった印象です。ほかにシミュレーターもあったのですが動いておらず、正直全体的にいまいちでした。屋外には、電子基準点や経緯度原点といった設備が展示されていました。こういったものは日本とさほど変わりありませんね。

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朝鮮初の本格的な測量に基づいた地図を製作した、金正浩。韓国の伊能忠敬ともいうべき存在か

 

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電子国土基準点

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大韓民国経緯度原点

見学した後、ここで地形図を買おうと思い立ちました。もともと地形図が買えたらいいなと思っており、国土地理情報院の所在地である以上確実に買えるだろうと思い、フロントにいた職員に片言の韓国語で「地形図を買いたい」と伝えました。すると日本語を話せる職員の方(東京に留学していたとのこと)がやってきて、地形図を印刷している部屋に入れてもらいました。もともとは地形図は大量に保管していたそうなのですが、需要の減少もあり、現在は注文を受けるとインクジェットで印刷しているとのことです。ソウル中心部のソウル(서울)と城東(성동)の図葉を購入しました。1枚300円くらいで、日本とそこまで変わらない価格でした。なお、韓国は現在臨戦態勢下にあり、軍事的な理由もあって、25000分の1より詳細な地形図は国外持ち出しができないようです(同様の理由により電子地図も国外からの閲覧不可)。

色々なお話も聞けてとても楽しかったですが、あちらからしたら迷惑だったかもしれません…ソウルで地形図を購入したいという方は、国際電子センターにあるハンジン地図か、鍾路にある中央地図文化社に行きましょう。もっとも、電子センターのハンジン地図も行ってみたんですが、営業しているのに店員さんがいませんでした。ちなみに、電子センターの9階はオタクフロアで、ゲームやアニメグッズを売る店がたくさんあります。もっとも、ほとんど日本のアニメやゲームばかりでしたが。

さて、国土地理情報院へのアクセスですが、ソウルから行く場合、首都圏電鉄1号線(京釜線)で水原駅に向かい、そこからバスに乗り換えるか、広域バスに乗るのが便利です。最寄りのバス停はKT東水原支社(KT동수원지사)です。水原駅前の観光案内所では日本語が通じるので、わからないことがあったらそこで聞いてみるとよいでしょう。

広域バスは以下の路線が()内の駅とを結んでいます。
1007-1(蚕室駅、水西駅)
7000(舎堂駅)
M5121(ソウル駅)
M5422(江南駅、良才駅)
運賃は日本円にして230円ほどと、かなり安いです。